草枕の道 14㎞制覇の旅
2026年今年は夏目漱石が熊本に来てから130周年の記念の年。お天気もよく、冬とは言え気持ちのよい気温の1月18日に、私達もかつて夏目漱石が歩いたと言われる草枕の道を歩きました。これまでは、草枕の道の一部分である芳野校区にある「石畳の道」しか歩いたことがなかった草枕の道ですが、今回は、熊本市の岳林寺から玉名市の草枕温泉までの全行程約14㎞を歩きました。


スタートの岳林寺から夏目漱石が歩いたと言われている草枕の道を、目印のオレンジ色の看板を頼りに、まずは鎌研坂を目指して進んでいきます。住宅街を通り抜け、山の中の舗装された道路をひたすら進みます。途中、林の中を通る道と舗装された道に分かれる2通りの道があり、私達も二手に分かれて進みました。私は舗装された道を歩きましたが、林の中の道を歩いたメンバーに話を聞くと、傾斜が急な分、上に着くのは早かったが大変だったと言っていました。草枕の道フルコースをこれから歩かれる方は、ぜひこの林の中を通る道で挑戦してみてください。
二手に分かれたメンバーと合流し、さらに奥へと進んでいくと、「鎌研坂」と書かれた石銘板がありました。小説『草枕』の冒頭にある「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹をあせば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」の山路は、この場所だと考えられているそうです。足元には石が転がっていましたが、比較的歩きやすく、自然を楽しみながら歩くことができる道でした。

文豪夏目漱石が熊本市から現在の天水町へ旅をした際に通ったのが鳥越峠。当時この峠には茶屋があり、著書「草枕」のモデルになったと言われています。その茶屋が再建され、現在は資料館となっていて夏目漱石や草枕について展示がしてあります。ここで少しお昼休憩を挟み、再出発です。ここまでで、歩いた距離は約4キロでした。坂が多く、体感ではもっと歩いているつもりでしたが、思ったよりも距離が短く驚きました。


次は金峰山の麓を通り、私たちがみかんの花ウォークや草枕ウォークで歩いた石畳の道に向かいます。普段の活動の中では、上から下に坂を下るのですが、今回はマップに沿って下から上に登っていきました。普段は下り坂なのであまり大変ではないのですが、今回はひたすら上り坂で、とても大変でした。しかし、登りながら見る石畳の道は新鮮で、より情緒ある風景に見えました。


石畳の道を抜け、さらに坂を上って、野出地区にある峠の茶屋公園に行きました。昔はここにも茶屋があったとされており、夏目漱石は、私たちがお昼休憩を挟んだ峠の茶屋か、野出地区の峠の茶屋のどちらかに立ち寄ったとされています。この場所は展望公園として整備されており、眺めが非常に良いです。この日、雲仙普賢岳は少ししか見えませんでしたが、条件がそろえば、はっきりと雲仙普賢岳を見ることができます。草枕の道フルコースを歩かれる方はもちろん、ドライブやツーリングで芳野に来られた方は、ぜひ立ち寄ってみてください。

峠の茶屋公園を過ぎると、ようやく下り坂です。ここからは森の中を歩きます。ここは一昨年のみかんの花ウォークのコースにもなっており、所々で有明海や雲仙普賢岳を見ることができたり、玉名市を一望できたりします。急な下り坂も多く、落ち葉も多いため滑りやすく、足への負担も大きいですが、みかんの木々に囲まれた河内ならではの風景を楽しむことができます。森の中を抜けると舗装された道に出て、ようやく今回のゴールである「草枕温泉 てんすい」に到着しました。




今回、私たちが草枕の道を制覇するのにかかった時間は、なんと約6時間で高低差は約400mでした!スタートするときには広がっていた青空も、ゴールする頃にはオレンジ色に染まっていました。前半は上り坂が大変なわりに、距離がそこまで進んでおらず、何度も心が折れかけましたが、その分ゴールしたときの達成感は強く、残り少ない4年生との活動の中で、色々なお話もできて、とても良い思い出になりました。そして、草枕の道を通して歩くことで、改めて地域の自然や魅力を感じることができました。

夏目漱石来熊130周年の記念行事として、秋には西区役所、草枕交流館などと共同した草枕ウォークイベントも実施予定です。この機会に、ぜひ皆さんも草枕の道を完全制覇してみてはいかがでしょうか。
作成者:2年 池田朱里