芳野えーる

次世代へ受け継がれる神楽 ―野出春日神社例大祭―

年間行事

 2025年10月15日、野出春日神社で行われた秋季例大祭に参加してきました。野出春日神社は1524年に創建されたとされる歴史ある神社です。春には五穀豊穣と無病息災を祈願する「春祭り」、秋には五穀豊穣を神様に感謝する「例大祭」が行われ、地域の人々に受け継がれてきました。
野出春日神社春祭りについては、ホームページ内の別の記事に掲載していますので、そちらもあわせてご覧ください。また、2023年に取材した野出春日神社の秋季例大祭についての記事はこちらからご覧ください。神楽の舞について詳細にご紹介しています。

 今回は「次世代への伝統継承」をテーマに、芳野で暮らす中学生を取材しました。中学2年生の村上友唯さん(13)は、今年の例大祭で神楽を舞う若い舞手のひとりです。神楽を始めて2年目になる村上さんに、舞への思いや取り組みについてお話を伺いました。

■ 舞ってみての感想
 まず、舞台を終えての感想を尋ねると、「ちゃんと覚えることができて良かったです」と話してくれました。「少し(衣装が)引っかかったりしたが、しっかりと舞えたり、歌えたり、回れたりできたので良かったです」と、落ち着いた表情で振り返ります。舞台上での堂々とした姿からは、これまでの練習の成果が感じられました。

■ 舞手の人数と練習について
 現在、同年代で神楽を舞っているのは約4人。神楽は男性が舞うイメージがありますが、「女性の方でもできます。岳の方では実際にやっている方がいます」と話し、実際に女性が舞っていることを教えてくれました。性別にとらわれず、伝統を受け継ぐ姿勢が地域の広がりを感じさせます。

■ 継承への思い
 地域の伝統ある神楽を継承していくことについて尋ねると、「単純にやるのが楽しい。やっぱり同じ(舞)をやりたいと思う」という言葉が返ってきました。神楽を教えてもらう中で、言葉や所作に込められた意味も少しずつ学んでいるそうです。そうした学びの積み重ねが、次世代の担い手としての力になっていると感じました。

■ これからについて
 今後も神楽を舞っていくのか尋ねると、「できるなら続けていこうと思います」と答える村上さん。言葉の端々からは、地域の伝統文化に真剣に向き合い、神楽を心から楽しんでいる様子が伝わってきました。

 私は今回、初めて実際に神楽を見ました。村上さんが神楽を舞うとき、相手の目を見て息を合わせる姿が印象的でした。伝統文化が続いていく背景には、地域の人々の支えや次世代の存在があって成り立つことを実感しました。野出春日神社の神楽が、これからも地域のつながりとともに受け継がれていくのだと思いました。私たちも地域の魅力を発信し、次世代へとつなげていけるような活動をしていきたいです。

作成者:2年 杠真希