芳野えーる

夏休みキッズパラダイス2025報告⑧ 絵付け体験

イベント

 笑顔と発見にあふれた夏休みキッズパラダイス2025。さまざまな活動の中で子供たちは笑顔を見せ、ときには新しいことにチャレンジしながら大きな成長の一歩を踏み出してくれました。その締めくくりとなった最後のアクティビティが「絵付け体験」です。今回はその様子を振り返ってみたいと思います。

 初めは熊本地震の説明からスタートしました。今回、この絵付け体験を行った目的の一つとして熊本で起きたことを知り、「また元気になってほしい」という思いや「未来につなげたい」という思いを子供たちの手で形にしてもらいたいという願いがあったことが挙げられます。子供たちは震災当時1、2、3歳くらいだったため、あまり記憶にない子も多かったと思いますが、皆、真剣に話を聞いてくれました。

 今回の絵付け体験は、実際に熊本地震で崩れてしまった熊本城の瓦を使用しました。初めは皆、何を描くか迷っている様子でしたが、お友達やスタッフと相談したりお話をしたりして、ペンを握る手が早くなっていったように思います。

 出来上がった皆の作品を見てみると、どれもとても素敵で個性あふれるものでした。1泊2日を通して心に残った出来事を文章で書いたり、「芳野えーる」の文字を書いてくれたり、ヤマガラビレッジのロゴを描いたり……。皆思いのままに自分の作品を仕上げている様子がうかがえました。また、楽しそうに夢中になって描いている子が多く、準備を進めてきて良かったと嬉しい気持ちになりました。

 絵付け体験を行った後は、皆で「芳野えーるの木」の作成を行いました。みかんやぶどう、りんごなどの果物に、それぞれ楽しかったことや心に残ったことを文字や絵で描いてもらい、それを芳野えーるの木に実らせました。皆が描いてくれた文章や絵を見ていると、心の底から楽しんでくれたことが伝わり、我々スタッフもとても嬉しかったです。

 そして最後はこの芳野えーるの木とともに全員で記念写真を撮影しました。皆で作り上げたこの芳野えーるの木はただの作品ではなく、一人一人の体験が形となった証であり、この夏の宝物そのものでもあります。この木のかけらが、それぞれの心の奥に小さな芽となって宿り、これからの日々の中で静かに根を張り、枝葉を伸ばし続けてくれたら……そんな願いを込めています。

作成者:2年 野崎惟心