次世代の担い手たちにとっての地域の魅力とは!
私たちが活動している「芳野地域」で、地元の方々に地域の魅力について取材を行いました。今回ご協力いただいたのは、ミカン農家として働く3名の方々。それぞれの立場から、芳野という土地と向き合い、暮らし、守っている皆さんです。


・宮本拓麻さん
学業のため一時地域を離れた経験はあるものの芳野生まれの芳野育ち。「芳野えーる」の実行委員会の一員として一緒に活動してくださっている青年部のひとりです。そして、野出地区の神楽保存会で舞手としても活動し、伝統を守り継ぐ役割も担っています。




・細川和夫さん(写真左)
香川県出身。結婚をきっかけに芳野へ移住された方で、芳野に来て20年くらい経つそうです。
・中村哲也さん(写真右)
芳野で生まれ育ち、一度は仕事の都合で地域を離れましたが、家業を継ぐために脱サラして現在は農業に従事されています。


Q1、芳野の雰囲気について
中村さん:
「関われば関わるほど、優しい人たちばかり。いろんなことを教えてくれます。」
宮本さん:
「みんな仲間意識がありますね。みんな地域の運動会など積極的に参加しますし、仕事や消防関係とかも市内の方と比べるとまとまりがあるように感じます。人との関係についても横と縦のつながりが強いです。自分の場合は兄弟が上にいたので、上の世代とのつながりがありとても助かっています。下の世代の人たちとも仲良くできていてありがたいです。」


Q2、芳野と他の地域との違いについて
中村さん:
「近所付き合いがしっかりしていて、みんな挨拶をしてくれるところに他地域との違いを感じます。」
細川さん:
「一人では生活できず、助け合わないと生きていけない。みんな、“芳野を良くしたい”という気持ちを持っていて、若者も年配の方も仲が良い印象があります。」
Q3、芳野のこれからについて
宮本さん:
「特に農業に関していうと、ミカンなども温暖化の影響で河内町の中でも芳野の方が作りやすくなっています。そういう面でいうと、芳野が主となって頑張ってお金を地域に回していけるような環境にできたら良いなと思います。そして、“芳野ありきの河内町”という風になっていけたらいいなと思っています。」


Q4、あなたにとっての芳野とは?
中村さん・宮本さん:
「ふるさと。育った場所」
細川さん:
「地元がもっと良くなっていってほしい、住みやすい場所にしたいと思います。だから芳野の行事などに協力しようと思える。田舎が田舎で終わるのではなく、より良いものに変えていきたいという気持ちがあります。」
Q5、学生との活動について
宮本さん:
「ミカンの花ウォークやいろいろな活動を通して、改めて感じる地元の良さがあります。住んでいたら気づけないことを見つけることができるきっかけになります。」


Q6、地域が変わることに対して、不安や期待はありますか? それはどんなところに感じますか?
宮本さん:
「不安や期待というよりかは、“一緒に頑張っていきたい”としか言いようがないです。ほんとに。次の世代のためにも自分たちが頑張る。仕事だけじゃなくて、部落での関わり合いなど上の方たちがやってきたことを自分たちもやっていけたらいいなと思います。(全てを同じようにやるのではなく)残すものは残して、その時の環境に合わせて、なくしていいようなものはちゃんと考えて、改善していくような感じでメリハリをつけていきたいです。下の子たちにも地域に残りやすいように、仕事に関わらずそのようなまちづくりをやっていけたらと思います。」
今回の取材は2回にわたって行いました。最初の取材では、私たちの“聞く力”が足りず、特に宮本さんのお話を十分に引き出すことができませんでした。どうしてももっと深く伺いたいと思い、お願いして再度取材の機会をいただきました。宮本さんは、言葉を一気に語るのではなく、間を大切にしながら少しずつ、余韻を残すように話される方です。録音を何度も聴き返す中で、その「間」にも想いが込められていることに気づきました。だからこそ、できる限り言葉をそのままに近い形で、ありのまま伝えたいという想いで記事にしました。取材を通して、3人の方々の「芳野をより良くしたい」という思いがとても印象に残りました。地域の声を“言葉”として記録し、発信することの大切さと責任を強く感じる機会となりました。

作成者:2年 杠真希