地域の伝統行事「川祭り」を取材
7月22日、金峰山神社遥拝所で行われていた「川祭り」の取材に行ってきました。
儀式終了後に、金峰山神社総代の一人である古田さんにお話しを伺いました。
収穫祭の一つとされるこの川祭りは、土用入りから三日目に行われる祭です。なぜ、この日程で行われるのかというと、一年の中でも特に厳しい暑さが続く土用から秋の収穫祭に向けて、体に気を付けてみんなで健康管理をして頑張っていこうという意味があるからだそうです。
川祭りは、井上宮司が大麻(おおぬさ)を人や祭壇に向けて振るところから開始しました。
その後、祝詞を唱え地域の方々に形代(かたしろ)を手渡してからお祓いの言葉を唱えました。渡された形代は右手で自分の胸のあたりに持ち、左、右、左、下、上、下、と動かすことで自分の罪穢れを人型にお渡しして身を清めます。
罪穢れを形代にお渡ししてから、「神楽奉納」が始まります。
以前まで神楽は小学校低学年の子供たちに担ってもらっていたようですが、中学生から学業が忙しくなってしまい、継続して練習ができないことから後継者が育たなくなってしまいました。しかし、学校を卒業してから神楽をやりたいという女性の方が地域でもでてきたことから、金峰山神社だけでなく野出春日神社などの他の神社と協力しながら、コロナでどうしてもできなかった神楽の継承を通じて地域を活性化させようと宮総代様はじめ、氏子の方々と協力して取り組んでいるようです。
川祭りの最後は、河内川に形代を流し、自分の罪穢れを流して終了しました。
今回取材に応じて頂いた古田さんは次のように語っていらっしゃいました。
「神社の総代が八名おりまして、八名中五名が辞められて、今までの人が三人で新しい人が五名の総勢八名でやっております。熊本弁で言うなら『分からん人と知らんもんばかりでしよるもんだけん』暗中模索ですけど、自分たち一人では何もできないので、氏子の皆さんと協力して、地元の大事な氏神様を守っていくことが非常に大事なことだと思っております。コロナの為にこの三年間は閉塞状態だったので、祭りも実施できませんでした。5月4日からコロナが5類になったものの、沖縄や都市部ではコロナやインフルエンザの蔓延とかも懸念されています。今後もコロナの動向を見ながら、行事を復活させ少しずつ前に進めたらいいなと思っています。だからコロナに負けたくないです!一緒に頑張りたいと思います。」
古田さんの地域の祭りを守っていこうという思いは、この夏の暑さよりも熱く感動しました。
金峰山神社遥拝所では、9月24日に「社日」が行われ、10月14日、15日で「秋季大祭」があります。
秋季大祭は大神楽や奉納演芸会、直会が行われる金峰山神社で最も大きな行事の一つなので、皆さんもぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
最後に、私は川祭りを実際に見たことで夏の暑さに負けないパワーをいただけたような気がします。いただいた夏の暑さに負けないパワーと、古田さんにも負けない熱い気持ちでこの夏を乗り切っていこうと思います!
作成者:2年 澤田 纏