芳野初!女性が舞う「神楽」
2024年10月14日、金峰山神社で行われた、秋季例大祭の「前神楽」を取材しました。
これまで、野出春日神社には何度か神楽の取材に行っていますが、今回初めて金峰山神社の「神楽」を取材させてもらい、地域によって少し違いがあることが分かったのでご紹介します。
(*野出春日神社例大祭についてはホームページ内の別の記事に掲載されているのでぜひご覧ください。)
今回、金峰山神社の神楽を取材させてもらったのは、岳地区で舞手をされている「稲田奈緒子さん」にお話を聴くためでもありました。稲田さんは、芳野で初めての女性の舞手で、10年ほど前に芳野に来てから神楽の魅力に惹かれ、練習を開始し、3年前から本格的に舞われるようになったそうです。
また、稲田さんはもともとダンスの先生でもあり、神楽を初めて数年とは思えないほど、キレのある舞を奉納していました。力強さの中に、どこかしなやかさも感じられるその舞は、これまで見てきた神楽とはまた違う雰囲気を味わうことができるものでした。
金峰山神社に取材に行って、もう一つ驚いたことがあります。それは、舞手のほとんどが子供たちだったということです。理由を伺うと、その子たちはみんな稲田さんの教え子とのこと。一生懸命に神楽を奉納する子供たちとそれを見守る芳野の方々の姿がそこにはありました。
「横に広がっていくよりも、縦に繋がっていくことが大事。」と稲田さんはインタビューの中でおっしゃられていました。「自分たちが今、神楽を舞えているのは、これまで色んな危機がある中で、代々受け継いできた人たちのおかげ。少子化だからと言ってあきらめてしまうわけにはいかない。」と今後の神楽についての思いも熱く語ってくれました。
今回の取材を通して、稲田さんの舞手の育成についての思いを知ることができ、新しい神楽の形が見えてきた気がします。これからも芳野の神楽がどのように受けつがれていくのか見守っていきたいと思っています。
作成者:3年 木下淳之介