芳野えーる

芳野の梨とみかんの「今」を取材!

自然・景観

 今回は、梨やみかんを栽培し、芳野えーる実行委員会の青年部である内田大晴(ひろはる)さんにお話を伺いました。

 みかん農園では、車から降りたときとてもさわやかな香りがしました。早速取材を始めると、まず台風の話題になりました。
 熊本県では8月29日から30日にかけて台風10号が接近しました。報道でもかなり危険とされていましたが、大きな影響には至らなかったそうです。ですが、雨がひどかったため、みかんに過剰な水分が入り、耐えきれなくなって皮が裂けてしまう事態が発生したそうです。
 例年も割れることがあるそうなのですが、今年はより多く割れているそうです。
 また、猛暑が続き高温障害が起きています。みかんの場合、皮の色が変わってしまうそうです。私は最初、みかんが色づき始めているのだと思っていました。しかし、色が変化したのは高温障害によるもので、雨以外にも自然の影響が出ているのだと知りました。

 内田さんは、「何か月もかけて育ててきたものが収穫できないのは痛いし、そこまでの努力が無駄になるのはメンタル的に来るものがある」とおっしゃっていました。

 自然との繋がりが深い農業の仕事は大変だと感じますが、内田さんや他の農家の皆さんは園地や木にダメージが出たときにどこまで回復ができるか考えたり、梨に1つ1つ丁寧に袋をかけたり全力で自然と向き合われていました。

 今年は例年に比べると減収の年となっていますが、みかんも梨も糖度が高いそうです。芳野地区では13~14品種の梨が育てられています。中でも凛夏、幸水、豊水、あきづき、新高という5つの品種が主に育てられているそうです。

 凛夏や豊水は酸味と甘みの絶妙なバランスがおいしさを出しているそうです。凛夏は8月の頭に出荷が始まり、豊水はお盆の前後が出荷のピーク、それ以降に出荷時期が始まるのが、まさに今が旬のあきづきです。
 あきづきは果形がきれいで、おいしさには定評があります。実際に食べてみましたが、水分が豊富でみずみずしく、しゃりっとした食感もよく、とてもおいしかったです。

 内田さんによると、梨は冷やしすぎると甘さを感じにくくなるため適度に冷やすことが美味しく食べるコツだそうです。芳野の梨は、時期ごとに品種が変わり色々な種類を食べることが出来ます。
 今は味の王様、あきづきが美味しい季節です。そしてこの後に、大きな新高が出回ります。梨は美容や健康にも良い果物で、水分や食物繊維、ビタミンやミネラルなどの栄養素を含んでいます。果実部分の9割近くを水分が占めることから、夏バテの体に最適で美味しく水分補給ができる優秀な果実ということです。皆さんも上手に食べて残暑のこの時期を乗り切りましょう。

 みかんの方は最初に出荷される極早生がこれから色づき始め、だんだん甘くおいしくなっていくそうです。 今年は特別に味が凝縮されて甘いそうです。フルーツ天国の芳野で、農家さんが丁寧に育てた美味しい梨やみかんを皆さんもぜひお試しください。


 芳野の梨とみかん情報は今後もお伝えしていきますので、次回もお楽しみに!

作成者:1年 杠真希