新年の活動は、どんどやの取材からスタート!
新年あけましておめでとうございます。2026年も「芳野えーる」は、学生の視点から芳野地域の魅力や地域の皆さんの想いを発信し、地域に寄り添った活動を続けてまいります。今回は、芳野地域の東門寺地区で行われた「どんどや」に参加させていただきました。地域に根づく行事を実際に体験し、地域の方々にお話を伺いながら、その魅力と想いに触れることができました。


・はじめに、どんどやとは
どんどやは、正月飾りを火で清め、一年の無病息災を願う伝統行事です。
・お神酒といりこをいただく
各地域ごとにどんどやの会場が設定されています。まず会場に到着すると、最初に振る舞われたのはお神酒と尾頭付きのいりこでした。いりこにはお祓いの意味があり、お神酒とともにいただくことで、新しい一年の無事を願います。行事の始まりを実感する、印象的な時間でした。
・点火までの待機時間 人が集まるどんどや
点火は午後2時。その時間が近づくと地域放送が流れ、それを合図に、地域の方々が次々と会場に集まってきます。正月明け、久しぶりに顔を合わせる人も多く、新年のご挨拶と共に自然とにぎやかな会話が生まれていました。どんどやは、無病息災を願う年始の行事であると同時に、人と人とが交流する、地域にとって大切な場であることを感じました。


・行事を支える消防団の存在
どんどやの安全な運営を支えているのが、地域の消防団です。竹や火の準備など、行事に欠かせない役割を担っています。以前、芳野えーるHPにてご紹介させていただいた、みかん農家の内田大晴さんは、地域の消防団の一員でもあり、今年で活動12年目を迎えるそうです。昨年末に2人目のお子さんが生まれて、今年は2児の父親となって迎えるどんどやでもあり、「新たな家族が増え、より一層充実した一年を送りたい」と話してくださいました。地域を守る立場としての責任と、家族への想いが伝わってきました。


・点火、そして燃え上がる竹
午後2時、いよいよ点火です。気温はマイナスを記録し、息が白くなるほどの寒さで、体が震え、手のかじかみを感じる一日でした。しかし、火が点火されると、燃え上がる炎の熱気に包まれ、次第に体があたたまっていきました。火が入ると、竹が「めきめき」と音を立てながら燃え上がり、勢いよく火柱が立ちます。およそ20〜30分ほどで、竹は次第に崩れ、灰へと変わっていきました。この迫力ある光景を、多くの地域の方が見守っていました。

・どんどやにまつわる習字の風習
どんどやでは、以前は小学生や中学生が正月に書いた書初めを竹の先につけ、火にくべていました。書初めが高く舞い上がると「字が上手になる」という言い伝えがあったそうです。こうした風習には、子どもたちの成長や努力を地域全体で願う想いが感じられます。現在は行われていないものの、どんどやを通して、子どもから大人までが同じ行事に関わり、成長を見守ってきた地域のあたたかさを感じることができます。
・場所の変化と、続いてきた歴史
以前は芳野地域の東門寺地区の中でも、「本村」「古賀」「よが」の3つに分かれて、それぞれどんどやが行われていたそうです。当時は軒数も多く、新年のご利益を願って神社の門松の奪い合いが起きるほどだったそうです。その後、どんどやの会場となる広場が整備されたことで、現在はこの場所に東門寺地区が一つにまとまり、どんどやが一緒に行われるようになったそうです。
・灰になったあと、餅を焼く
竹が燃え落ちて、炭になったところで、いよいよ餅焼きが始まります。餅は火の上ではなく炭の上で、くるくると回しながら焼くのがコツです。遠赤外線で焼くことで、きれいにふくらみ、おいしく焼き上がります。私たちも実際に挑戦させていただきましたが、なかなか難しく、うっかりすると焦がしてしまいそうになりましたが、地域の方が声をかけてくださり、焼き方のコツを教えくださったお蔭で無事に焼き上げることができました。


焼き上がった餅をいただくと、驚くほどおいしく感じました。焼けた餅を手で取り、砂糖醤油につけて一口食べると、香ばしさとやさしい甘さが口いっぱいに広がります。まるでつきたての餅のようで、冷えた体だけでなく、心まであたたまるひとときでした。


・それぞれの家庭の餅を囲んで
参加者は、それぞれの家庭で用意した餅を焼きながら、会話を楽しんでいました。幼い頃からどんどやに参加してきた杉本幸介さんは、「昔は消防団として火の見張りをした後、消防小屋でバーベキューをしながら交流していた」と話してくれました。夜8時頃に火が完全に消えているかを確認して、一日が終わっていたそうです。また、幸介さんの息子である杉本亮誠さんにとって、どんどやは地域の人だけでなく、地域外の親戚も多く集まる大規模な行事であり、にぎやかで楽しい時間だといいます。特に、みんなで餅を焼く時間は、幼い頃からの楽しみの一つだったそうです。




どんどやは地域や世代を超えた人々が自然と集い、交流できる大切な場であり、その役割は今も変わらず受け継がれていると感じました。どんどやは無病息災を願う行事であると同時に、世代を超えて人と人とをつなぐ大切な地域の場です。実際に参加し、地域の方々のお話を伺う中で、この行事がこれからも大切に受け継がれていくことの意味を強く感じました。
この日は、東門寺地区以外の、野出地区、岳地区などでも、どんどやが行われました。こういった地域の昔からの伝統行事は、行事の意味と共に行事にまつわる地区の皆さんの想いも大事にこれからも伝えていきたいと感じました。
こちらは、野出地区でのどんどやの様子です。青年部の宮本さんから写真を提供していただきました。



作成者:3年 柴田芽依